漁村の活動応援サイト
vol.16
2021.1.14

“干物伝道師” 干物を全ての食卓に(株)やまろ渡邉 会長 渡邉 正太郎さん

[photo01]

大分県佐伯市南東部に位置する米水津よのうず地区。
(旧米水津村。2005年佐伯市と南海部郡が合併)

高速道路を下りて曲がりくねった山道を抜けると、眼下に広がる海と空。
そして、リアス式海岸独特の幾重にも入り組んだ海岸と点在する島々の、一つの屏風絵のような景色が広がります。

水産と水産加工が主な産業の米水津地区には、100年の歴史を誇る干物加工工場があります。

“やまろ渡邉”

豊後水道の種類豊富で新鮮な魚にこだわり、その魚に適した、そして時代に適した作り方で、魚本来のうまみを引き出し、質の高い干物を全国へと届けています。

[photo02]

新鮮な魚を干物にするのはもったいないと思われるかもしれませんが、長年培ってきた独自のノウハウと先人たちが蓄積した知恵を今に受け継ぎ、そして豊後水道の鮮度の良い魚を使うことで、消費者に安心安全のものを届けているのです。

  • [photo03] やまろ渡邉 渡邉正太郎会長
    従業員はもちろん漁業者や同業者にも慕われる渡邉正太郎会長
  • [photo07] やまろ渡邉 渡邉正太郎会長
  • [photo05]
  • [photo09]
  • [photo08]
  • [photo10]
  • [photo11]
  • [photo12]
  • [photo14]
  • [photo13]
  • [photo06]
  • [photo29] やまろ渡邉 渡邉才智郎社長
    やまろ渡邉 渡邉才智郎社長

今回お話を伺った渡邉会長。
大きな体と、人懐っこい笑顔でそれに負けないくらいの心も大きなお人柄。

豊後水道の魚を全国に届けたい、という思いのほかに、魚離れが問題視されてる昨今、子供たちにももっと魚を食べてもらいたい、という思いが強く、地元の小学校の校庭で “干物BBQ” を開催し、七輪で干物とおにぎりを焼いて子供たちに食べてもらう企画を根付かせました。その企画を地元のみならず今では市外でも開催されています。その時に、地元の子供たちですら骨の周りの身は食べずに残したり、丸干しを食べたことがないということに驚き、料理をする親にもっと食卓に干物をあげてもらえるように、中骨なしの開きをシリーズ化させました。中骨がないから火の通りが早く、フライパンで焼けて、グリルを汚さない。食べた後のごみが少ないなど、現代の食卓にピッタリの干物シリーズ。また学校給食にも取り入れられている衣をつけたフライのシリーズや、干物をもっと簡単に食卓で食べてもらうために、すでに焼いてる干物の冷凍など、いまどきの忙しい家庭にピッタリの商品の数々。気が付けば取扱商品が100を超えるとか。

  • やまろ渡邉 魚のまちのごまだれ漬け丼(ぶり)
    やまろ渡邉 魚のまちのごまだれ漬け丼(ぶり)
  • やまろ渡邉 フレッシュフィッシュフライ
    やまろ渡邉 フレッシュフィッシュフライ
  • やまろ渡邉 うるめいわし
    やまろ渡邉 うるめいわし
  • やまろ渡邉 まあじ ひもの 中骨なし
    やまろ渡邉 まあじの干物 中骨なし
  • やまろ渡邉 あ!焼いてますシリーズ
    やまろ渡邉 あ!焼いてます!シリーズ

やまろ流スローフードを掲げ、“素材、伝統、食を楽しむ” この三つの基本を守りながら、安心安全な干物で、お客様に食の本来の楽しみを存分に味わってもらいたい。それが渡邉会長の一番の願いです。

そんなやまろ渡邉の商品をアレンジしたレシピを紹介します。

干物チャーハン

[photo15]

材料

まあじの干物2枚
ご飯2杯分
白ネギ1本
小ネギ2本
2個
ナンプラー小さじ2

胡椒
少々
ごま油大さじ1

作り方

  • まあじの干物は焼いて身をほぐしておく。白ネギはみじん切り、小ネギは小口切りにしておく。卵は溶いておく。
  • 中華鍋にごま油を熱し、卵を入れふんわりと火が通ったらごはん、白ネギ、小ネギを加えて入れ炒める。
  • 干物を加えて炒め、ナンプラーを鍋のふちから加えて炒め、塩、胡椒で味を調える。

干物は後から入れて形が崩れすぎないように。干物の塩気があるので塩加減に注意。

干物コロッケ

[photo16]

材料

まあじの干物2枚
ジャガイモ300g
(中3個くらい)
白ねぎ1本
マヨネーズ大さじ1

胡椒
薄力粉
とき卵
パン粉
揚げ油
適宜

作り方

  • まあじの干物は焼いて身をほぐしておく。白ネギはみじん切り。ジャガイモは茹でてつぶしておく。
  • ジャガイモの粗熱がとれたら、干物、白ねぎ、マヨネーズ、塩、胡椒を加えて混ぜ、俵にまとめて、薄力粉、とき卵、パン粉の順に衣をつける。
  • 160度に熱した揚げ油できつね色に揚げる。

好みでカボスやレモン、ケチャップなどを添えて。

干物グラタン

[photo17]

材料

まあじの干物2枚
玉ねぎ1/2個
カブ1個
バター15g
薄力粉大さじ2
牛乳300cc
味噌大さじ1

胡椒
少々
チーズ適量

作り方

  • まあじの干物は焼いて身をほぐしておく。玉ねぎは薄くスライスする。カブは食べやすい大きさに切る。
  • フライパンにバターを熱し、玉ねぎとカブを炒める。しんなりしてきたら薄力粉を振り入れ、粉けがなくなったら牛乳を加えなじませる。
  • とろみがついたら、干物、味噌を加えて、塩、胡椒で味を整え、耐熱皿に入れチーズをのせて、オーブントースターで焦げ目がつくまで焼く。

カブ以外にジャガイモやキノコ類でも。

まあじの干物の冷奴トッピング

[photo23]

冷奴のトッピングに。
豆腐の上に、焼いてほぐしたまあじの干物と小ネギをのせ、ごま油、あら塩でシンプルにいただきます。もちろん醤油でも。
冷奴に魚のうまみと食感プラス。

干物ペペロンチーノパスタ

[photo18]

材料

まあじの干物2枚
パスタ160g
にんにく1かけ
唐辛子1/2本
水菜1/5袋
いりごま大さじ1
オリーブオイル大さじ2
少々

作り方

  • まあじの干物は焼いて身をほぐしておく。にんにくはつぶしておく。水菜は5cm幅に切る。パスタは表示通りに茹でておく。
  • フライパンにオリーブオイルとにんにくと唐辛子を熱し、香りがでたら干物を炒め、パスタの茹で汁大さじ4、塩少々を加えて味を整えパスタ、水菜、を加えてなじませる。器に盛りいりごまを散らす。

水菜の代わりにほかの野菜でも。

干物トマトソースパスタ

[photo19]

材料

まあじの干物2枚
トマトの水煮缶200g
オリーブオイル大さじ2
にんにく1かけ
唐辛子1/2本
玉ねぎ1/4個
白ワイン大さじ1
蜂蜜大さじ1/2
パスタ160g
パセリのみじん切り
適宜

作り方

  • まあじの干物は焼いて身をほぐしておく。にんにくはみじん切り、玉ねぎは薄くスライスしておく。パスタは表示通り茹でておく。
  • フライパンにオリーブオイルとにんにく、唐辛子を入れて熱し、香りが出たら玉ねぎを炒める。干物、トマトの水煮缶、白ワインを加えて煮詰める。
  • パスタを加えて絡めて器に盛り、パセリを散らす。

トマトソースと干物の相性はとっても良いのです。

素揚げ干物の朝ごはん

[photo20]

材料

まあじの干物2枚
白ごはん2杯分
玉ねぎ1/4個
2個
揚げ油
大根なます
パクチー
適宜

作り方

  • まあじの干物は170度の油で素揚げする。玉ねぎは薄くスライスし、素揚げする。卵もそっと割りいれて素揚げする。
  • お皿にご飯をのせ、素揚げした干物、卵、大根なますをのせ、素揚げ玉ねぎをご飯にトッピングし、好みでパクチーを盛る。

ちょっとエスニックな朝ごはんに。素揚げした干物は香ばしさがプラス。大根なますは塩もみした大根に、砂糖と酢、ナンプラーで味付けしたもの。

フレッシュフィッシュフライ梅タルタル

[photo21]

材料

フレッシュフィッシュフライ1袋
梅干し1個
きゅうり1/2本
玉ねぎ1/10個
マヨネーズ大さじ2

胡椒
少々
揚げ油適宜

作り方

  • フレッシュフィッシュフライは表示通りに揚げる。
  • 梅干しは種を除き叩く。きゅうりは粗みじん切りにする。玉ねぎはみじん切りにする。
  • 梅干し、きゅうり、玉ねぎ、マヨネーズ、塩、胡椒を混ぜて、にかけていただく。

さっぱりとした梅味のタルタルソース。どのフィッシュフライにも合います。

ごまだれ鰤のポケ丼

[photo22]

材料

魚のまちの
ごまだれ漬け丼(ぶり)
2袋
アボカド1個
チリソース小さじ1
紫玉ねぎ1/10
醤油少々
キムチ
刻み海苔
白ごはん
フライドオニオン
適宜

作り方

  • アボカドは2cm角に切る。紫玉ねぎは薄くスライスし、水にさらしておく。
  • 魚のまちのごまだれ漬け丼(ぶり)、アボカド、紫玉ねぎ、チリソース、醤油を混ぜ合わせる。
  • お皿にご飯を盛り、を添え、キムチ、刻み海苔、フライドオニオンを添える。

ハワイ名物アヒポケ丼をアレンジ。キムチや海苔で味変して下さい。

やまろ渡邉


住所
大分県佐伯市米水津大字宮野浦726番地
URL
http://yamaro-watanabe.co.jp

EVERY FISH PROJECT
by (株)やまろ渡邉直営店 鶴見食賓館


URL
https://www.yamaro-everyfish.store

文・レシピ

園田 寿

園田 寿(そのだ すが)

料理研究家
結婚・出産を機に料理に目覚め、子供の野菜嫌いをなんとかしようと考えだした、アイデアと旬の食材を生かしたレシピが数々の料理コンテストで表彰されるように。現在は大分県大分市内で料理教室「シュガーズキッチン」を主宰し、地元の野菜農家とコラボした野菜教室や、食育の一環として魚料理教室、郷土料理教室なども行っています。和洋中エスニックと幅広いオリジナルのレシピは、手に入りやすい食材で家庭向きにアレンジしており、ご家庭でもさっと作れるのが魅力です。

目次へ