天然の色とは思えないほど、カラフルでヴィヴィッドな色のヒオウギ貝。
そんなインスタ映え食材を求めて、大分県南部、蒲江湾沖に浮かぶ屋形島で養殖業を営む後藤猛さんを訪ねました。
蒲江港まで船で出迎えてくれた後藤さん。よく日焼けした肌に長い髪、普通の漁師さんとは何か違う雰囲気をお持ちです。それもそのはず、高校中退後はネパール、インド、タイなどをバックパッカーで数年ほど旅をされていたそうです。なかなか普通には経験できないことをされてきた後藤さん。ヒオウギ貝養殖業の傍ら、素泊まり形式のゲストハウスも営まれています。海外を旅して現地の人たちとふれあってきたことの経験が土台となり、島に来た人たちがつながる場所を、との思いで作られたそうです。
ゲストハウス中央には、食事や休憩だけでなく、ちょっとしたイベントもできるコミュニティスペースが設けてあります。爽やかな海風が入り込み、天井も高く、広く、気兼ねなくごろ寝できる雰囲気がとても心地がよい空間です。
人口14人7世帯しかない小さな島なので、もちろんお店なんてありません。食材を持ち込んで、外でバーベキューするのもよし、自炊するのもよし。外のバーベキュースペースには、宿泊客が残していったヒオウギ貝の殻がたくさん!
ヒオウギ貝の魅力は見た目だけではありません。「ヒオウギ貝はやっぱり海から獲れたてを食べるのが一番美味しい」と話す後藤さん。
「肝の臭みやエグミがなく、味付けせずにシンプルに蒸しただけが一番美味しい食べ方だと思う」
出してくれたヒオウギ貝は、もう最高!でした!!ほどよい弾力と噛めば噛むほど出てくるシーフードの良いところだけをぎゅっと詰めたような旨味。
この美味しさの秘密はプランクトン。蒲江湾はリアス式海岸で、海の栄養が豊富なため、ヒオウギ貝の餌となるプランクトンが多く、甘みと旨味が濃厚なヒオウギ貝が育つのです。
後藤さんは四国から仕入れた2cmほどの稚貝を1年ほどかけて育てています。出荷までに、ヒオウギ貝の貝殻についたフジツボなどの付着生物を1個ずつ高圧洗浄で除去するという作業を3~4回ほど繰り返します。手作業の根気のいる仕事ですが、家族一丸となってこなしている後藤家。
将来的にはECサイトを充実させて、自分たちで販売まで手がけられるようにしたいとのこと。いいものを作るだけではなく、それをどうアピールして見せるかを今後の目標にされています。
今回はそんなヒオウギ貝を使ったレシピを紹介します。
ヒオウギ貝と里芋の煮物
(2人分)
材料
ヒオウギ貝 | 6個 |
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里芋 | 250g |
だし汁 | 2カップ |
小ネギの小口切り | 適宜 |
A
醤油 | 大さじ2 |
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砂糖 | 大さじ2 |
酒 | 大さじ1 |
作り方
- ① ヒオウギ貝は殻から外しておく。里芋は洗って皮をむき、大きいものは半分に切る。
- ② 鍋に里芋とかぶるぐらいの水を入れ、中~強火にかける。沸騰したらざるに上げてぬめりを取る。
- ③ 鍋にだし汁と里芋を入れて5分ほど煮て、Aとヒオウギ貝を加えて里芋が軟らかくなるまで煮る。
- ④ 器に盛り、小ネギの小口切りをのせる。
パエリア
(2人分)
材料
ヒオウギ貝 | 4個 |
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海老 | 4尾 |
玉ねぎ | 1/4個 |
セロリ | 20g |
ニンニク | 1片 |
トマト缶 | 100g |
水 | 600cc |
白ワイン | 大さじ2 |
米 | 1合 |
塩 | 小さじ1 |
オリーブオイル | 大さじ2 |
パセリ | 少々 |
レモン | 1/2個 |
作り方
- ① ヒオウギ貝は殻から外しておく。海老は背わたを除き、塩、酒をもんで洗い流しておく。玉ねぎ、セロリ、ニンニクはみじん切りにする。トマト缶は潰しておく。
- ② フライパンにオリーブオイルとニンニクを入れて熱し、香りが出たら玉ねぎ、セロリを炒める。トマト缶を加えて中火で煮詰める。
- ③ ヒオウギ貝、海老、水、白ワイン、塩を加えて強火にかけ、一煮立ちしたらヒオウギ貝と海老を取り出す。
- ④ 煮立ったスープに米を研がずに振り入れ、強火で12分炊く。さらに弱火にして12分炊く。(おこげを作りたいときは最後に強火に20秒ほどかける。)
- ⑤ ヒオウギ貝、海老を戻し入れ、レモン、パセリを添える。
あればサフラン10本を水と加えると発色よく仕上がります。お米は洗わずに使うと粘りが出にくいです。
フィッシュアンドチップス風
(2人分)
材料
ヒオウギ貝 | 6個 |
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ジャガイモ(メークイン) | 大2個 |
塩 | 少々 |
胡椒 | 少々 |
薄力粉 | 適量 |
揚げ油 | 適量 |
お好みでレモン | 適宜 |
A
ビール | 100cc |
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薄力粉 | 50g |
片栗粉 | 50g |
ベーキングパウダー | 小さじ1/2 |
塩 | 少々 |
作り方
- ① ヒオウギ貝は殻から外し、塩、胡椒、薄力粉を振る。
- ② ジャガイモは皮ごとくし形に切り、水に10分ほどさらして、しっかりペーパーで水分を拭き取る。
- ③ ボウルにAを混ぜ合わせ、①をくぐらせる。
- ④ 揚げ油にジャガイモを入れて中火にかけ、じっくり揚げながら180°Cになったらとりだす。続けて③を衣が固まるまで揚げる。
くし形に切ったレモンやカレー塩など、お好みで。ジャガイモはコールドスタートすることで、はねることなくカリッとほくっと揚がります。ヒオウギ貝は長い時間揚げるとはねるので、衣が固まったら取り出してください。
ヒオウギ貝のクリームパスタ
(2人分)
材料
ヒオウギ貝 | 6個 |
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シメジ | 1袋 |
長ネギ | 1/2本 |
パスタ | 160g |
にんにく | 1かけ |
オリーブオイル | 大さじ1 |
牛乳 | 100cc |
生クリーム | 100cc |
ブラックペッパー | 少々 |
塩 | 少々 |
小ネギの小口切り | 適宜 |
作り方
- ① パスタは表示通りに茹でる。ヒオウギ貝は殻から外しておく。シメジは石突きを除いてほぐしておく。長ネギは小口ぎりにする。ニンニクは潰しておく。
- ② フライパンにオリーブオイルとニンニクを入れて熱し、香りが出たら長ネギを炒める。
- ③ しんなりしてきたら、シメジ、ヒオウギ貝を加えて炒める。
- ④ 牛乳と生クリームを加えて一煮立ちしたら塩胡椒で味を調え、茹でたパスタを加えて合わせる。お皿に盛り、小ネギを散らす。
ヒオウギ貝の旨味が味わえる、あっさりとしたクリームソースのパスタです。
アクアパッツア
(2人分)
材料
ヒオウギ貝 | 4個 |
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白身魚 (写真はイトヨリ鯛) | 1~2尾 |
にんにく | 1かけ |
ドライトマト | 1個 |
オリーブ | 4個 |
ケーパー | 大さじ1 |
ミニトマト | 4個 |
シメジ | 1袋 |
オリーブオイル | 大さじ1 |
白ワイン | 大さじ1 |
塩 | 少々 |
パセリ | 少々 |
作り方
- ① 魚は鱗、内臓をのぞきよく洗い、塩を振っておく。ニンニクは潰しておく。ドライトマトはお湯100ccで柔らかくしてからみじん切りにする。ドライトマトの戻し汁は取っておく。シメジは小房に分けておく。
- ② フライパンにオリーブオイルとニンニクを熱し、香りが出たら魚を入れ中火で両面を焼く。焼き色がついたら、ドライトマト、ケーパー、オリーブ、白ワイン、ドライトマトの戻し汁を加え、ひたひたにかぶるまで水を足す。
- ③ ヒオウギ貝を加えて蓋をし、10分ほど煮る。
- ④ 蓋を取って塩と胡椒で味を調え、ミニトマトを加えたら一煮立ちさせ、火を止めパセリを散らす。
ヒオウギ貝と魚の旨味が出たスープがとても美味しい。パンにつけて食べたり、茹でたパスタを和えたりするのもおすすめです。ブロッコリーなど緑野菜を最後に加えてボリューム満点メニューにしても。
グラタン
(2人分)
材料
ヒオウギ貝 | 4個 |
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塩 胡椒 オリーブオイル | 適宜 |
バター | 10g |
薄力粉 | 大さじ1 |
牛乳 | 100cc |
ナツメグ | 少々 |
チーズ | 20g |
パン粉 | 大さじ2 |
パセリ | 少々 |
作り方
- ① ヒオウギ貝は殻から外し、塩と胡椒を振り薄力粉をまぶして、オリーブオイルを熱したフライパンでさっと焼いておく。
- ② フライパンにバターを熱し、薄力粉を炒め、粉っぽさがなくなったら牛乳、塩、胡椒、ナツメグを加えてとろみがつくまで熱し、チーズを加える。
- ③ 殻にヒオウギ貝をのせ、②をかけ、パン粉、パセリをのせ、オーブントースター等で焦げ目がつくまで焼く。